ベッカムとイングランド代表

フランスワールドカップ。
決勝トーナメントに進出したイングランド代表は、アルゼンチン代表と対戦する。
イングランドの若きキーマンであるベッカムは、自分に対し執拗なラフプレーを繰り返すシメオネに対し怒りをあらわに。
しかしその怒りは、故意的な報復行為とみなされ、ベッカムは退場処分になってしまう。
一人少なくなったイングランド代表は成すすべなくアルゼンチンに完敗し、彼らのワールドカップは幕を閉じた。
敗因はベッカム。
疑うことなく、誰もがそう結論付けた。
その後、途切れることのないメディアからの痛烈な批判と観客からのブーイング。
ワールドカップ敗退の戦犯を、国民が簡単に許すはずがなかった。

 そして、来たる日韓ワールドカップ最終予選。
引き分けでも本大会出場が決まるイングランド代表だったが、ギリシャを相手に苦戦を強いられていた。
後半ロスタイム、スコアは2-1。
ゴール前でフリーキックを得たイングランド。
ボールを置くベッカム。
独特なフォームから繰り出されたボールは、鋭くネット突き刺さった。
歓喜に沸くスタジアム。
そこには、大きな成長を遂げ、罪を償い、チームの中心として活躍する青年を迎え入れる準備が整っていた。